古墳は3世紀後半から7世紀にかけて、南東北から九州にかけての日本列島で造られ、全国に約16万基以上あると言われています。『先代旧事本紀(せんだいくじほんぎ)』によると、この頃の栃木県は「下毛野(しもつけの)」と「那須」の2つの地域に分かれていたようです。そして、この2つの地域が7世紀後半に統合されて「下毛野国(しもつけのくに)」と呼ばれるようになり、8世紀に入ると「下野国(しもつけのくに)」と記されるようになりました。
ところで、古墳にはどのような人が埋葬されていたのでしょうか?古墳には誰もが埋葬されていた訳ではありません。大きな古墳を造るだけの労働力を集め、管理できる力をもった地域の首長もしくは有力な豪族たちの墓と考えられています。
古墳を一歩一歩踏みしめながらのぼると、古代の人びとの息づかいや声なき声が聞こえてきそうです。目の前にある古墳は、遥か悠久の彼方へと私たちの想像力をいざなってくれるでしょう。
ぶらり散策
コラム
2つの日本初と古墳発掘 〜侍塚古墳と足利公園古墳〜
栃木県内には、日本の考古学史を語る上で重要な古墳が2つあります。侍塚古墳と足利公園古墳です。侍塚古墳は元禄5(1692)年、水戸藩主徳川光圀が命じて、日本初の考古学的な発掘調査が行われました。光圀は発掘調査後、出土品を松の箱に入れて埋め戻し、古墳の景観保護のため松を植えました。
一方、足利公園古墳は明治19(1886)年、当時東京帝国大学大学院で人類学を学んでいた坪井正五郎によって、日本人初の科学的な学術調査による古墳発掘が行われました。この発掘は、坪井による発掘調査の学術的意義を理解した足利の有志たちの協力なくしては成功しませんでした。
いずれも、文化財として後世に伝えることに力を注いだ先駆的な発掘調査として長く記憶されています。
関連施設(時間・料金などは、変更することがございます)
- うつのみや遺跡の広場[国指定史跡 根古谷台遺跡]
- 住所:宇都宮市上欠町151-1
- 電話番号:028-659-0193
- オープン:(4〜10月)9時〜17時(入園は16時半まで)、(11〜3月)9時〜16時半(入園は16時まで)
- クローズ:月(祝休日は開館)、祝休翌日(土日の場合は開園)、年末年始
- 入場料:無料
- 壬生町立歴史民俗資料館
- 住所:壬生町本丸1-8-33
- 電話番号:0282-82-8544
- オープン:9時〜17時(ただし、火曜は13時~。入館は16時半まで)
- クローズ:月、火曜午前、祝休日(企画展開催時のみ開館)、年末年始
- 入場料:無料(企画展開催時は有料)
- しもつけ風土記の丘資料館
- 住所:下野市国分寺993
- 電話番号:0285-44-5049
- オープン:9時〜17時(入館は16時半まで)
- クローズ:月(祝休日は開館)、第3火曜日、祝休翌日(土日の場合は開館)、年末年始、臨時休館日あり
- 入場料:無料(特別展・企画展は別途観覧料が必要になる場合あり)
- 栃木県埋蔵文化財センター
- 住所:下野市紫474
- 電話番号:0285-44-8441
- オープン:9時半〜16時半(入館は16時まで)
- クローズ:土、祝休日、年末年始、年度末、年度初めの定める日(日曜日と祝休日が重なる場合は閉館、翌日休館)、2015年8月中の日曜日は、改修のため休館
- 入場料:無料
- 小山市立博物館
- 住所:小山市乙女1-31-7
- 電話番号:0285-45-5331
- オープン:9時〜17時(入館は16時半まで)
- クローズ:月(祝休日は開館)、祝休翌日(土日の場合は開館)、第4金曜日、年末年始、特別整理期間(年1回、10日以内
- 入場料:無料(企画展開催時は有料
- 那珂川町なす風土記の丘資料館
- 住所:那珂川町小川3789
- 電話番号:0287-96-3366
- オープン:9時半〜17時(入館は16時半まで)
- クローズ:月(祝日の場合は開館)、祝休翌日(土日の場合は開館)、年末年始、臨時休館日あり
- 入場料:一般100円(80円)学生50円(40円)
※( )は20名以上の団体料金。 - 大田原市なす風土記の丘湯津上資料館
- 住所:大田原市湯津上192
- 電話番号:0287-98-3322
- オープン:9時半〜17時(入館は16時半まで)
- クローズ:月(祝日の場合は開館)、祝休翌日(土日の場合は開館)、年末年始、臨時休館日あり
- 入場料:一般100円(80円)学生50円(40円)
※( )は20名以上の団体料金。