関ヶ原の合戦に勝利した徳川家康は、全国支配の足がかりとして、江戸を起点とする五街道をはじめとする交通網を整備しました。そのひとつが日光道中です。
日光道中は、元和(げんな)3(1617)年頃整備されました。「東照大権現(とうしょうだいごんげん)」として家康が祀(まつ)られている日光への将軍家の参拝(日光社参)は、天保14(1843)年の12代将軍家慶(いえよし)まで19回実施されました。往きは日光道中を、帰りは脇街道のひとつ日光道中壬生通を利用しました。
また日光へ至る道として、日光例幣使(にっこうれいへいし)道という脇街道がありました。この街道を利用して、日光東照宮へ金色の幣帛(へいはく:神に捧げる物)を奉納するため朝廷から派遣されたのが「日光例幣使」です。この行事は、正保4(1647)年から慶応3(1867)年まで途絶えることなく続けられました。その他、会津若松から今市へ至る会津西街道は、会津藩の日光への参拝などに利用されていました。
これらの街道には日光杉並木が残り、その中を歩いて行けば、当時の雰囲気を体感できるでしょう。
ぶらり散策
コラム
ありがたや、例幣使
例幣使たちは、公家で参議という要職に就いていました。そのため、例幣使という任務は朝廷と幕府からの権威を背負っていました。しかし要職とは名ばかりで、例幣使の任務にあたった公家たちは決して裕福ではありませんでした。その権威を利用して「入魂(じっこん)」と称して先々で金銭を強要していた話が伝わっています。また、奉幣(ほうへい)の際に引き取った前年の幣帛(へいはく)を細かくきざんで「東照宮御神体」として配り、大名たちをはじめ沿道や江戸の町で人気を呼びました。
こうした例幣使がもたらすと思われたご利益は、例幣使が入浴した風呂の湯を飲むと病気が治る、あるいは例幣使に近寄っておくと大病にかからないなど、様々な迷信を生むこととなりました。
関連施設(時間・料金などは、変更することがございます)
- 栃木県立博物館
- 住所:宇都宮市睦町
- 電話番号:028-634-1311
- オープン:9時半〜17時(入館は16時半まで)
- クローズ:月(祝日・県民の日[6月15日]の場合は開館)・祝翌日(土日の場合は開館)・年末年始・臨時休館日(6月下旬〜7月上旬の10日程度)
- 入場料:一般260円(200円)高校・大学生120円(100円) ※( )は20名以上の団体料金
※特別企画展開催時は、別途特別企画展観覧料が必要
※6月第2土日・県民の日(6月15日)・文化の日(11月3日)は無料 - 宇都宮城址公園・清明館
- 住所:宇都宮市本丸町1-15
- 電話番号:028-638-9390
- オープン:9時〜19時
- クローズ:年末年始
- 入場料:無料
- 壬生町立歴史民俗資料館
- 住所:壬生町本丸1-8-33
- 電話番号:0282-82-8544
- オープン:9時〜17時(ただし、火曜は13時~。入館は16時半まで)
- クローズ:月、火曜午前、祝休日(企画展開催時のみ開館)、年末年始
- 入場料:無料(企画展開催時は有料)
- 小山市立博物館
- 住所:小山市乙女1-31-7
- 電話番号:0285-45-5331
- オープン:9時〜17時(入館は16時半まで)
- クローズ:月(祝休日は開館)、祝休翌日(土日の場合は開館)、第4金曜日、年末年始、特別整理期間(年1回、10日以内)
- 入場料:無料(企画展開催時は有料)
- 日光市歴史民俗資料館・二宮尊徳記念館
- 住所:日光市中央町29-1
- 電話番号:0288-22-6217
- オープン:9時~17時(入館は16時半まで)
- クローズ:月、国民の祝日(月曜の場合は翌日も休館)、年末年始、展示替期間中
- 入場料:無料
- 鹿沼市郷土資料展示室(鹿沼市文化活動交流館内)
- 住所:鹿沼市睦町1956-2
- 電話番号:0289-60-7890
- オープン:9時〜17時
- クローズ:月(祝休日は開館)、祝休翌日、年末年始
- 入場料:無料