わたしたちの生活にとって欠かせないもの。それが水です。水を生活に取り込む人びとの知恵と工夫は、縄文時代の遺跡、寺野東遺跡から発見された食料加工に使われた水場遺構から、四千年以上も前から続いていることを知ることができます。
田畑の豊かな恵みにも水は欠かせません。人々は、水を確保するためにトンネルを掘り、ため池を作るなど、さまざまな工夫をしてきたのです。さらに、豊作をもたらす恵みの雨を願って祈りを捧げました。水との深い結びつきは、各地に伝承となって伝えられています。荒廃した田畑を再生させるために、二宮金次郎(尊徳(そんとく))やその弟子たちが力を尽くしました。
街道がつくられ、人々が往来し、「モノ」だけでなく、「文化」も行き交いました。実は道だけではなく、川も重要な交通路でした。今ではその役割は少なくなってしまいましたが、現在でもあちこちで名残を見ることができます。
水を得るための人々の知恵と工夫、そして苦闘がわかる文化遺産が、今なお、栃木県には数多く残されているのです。
ぶらり散策
コラム
船から鉄道へ
江戸時代、物資の輸送や人の行き来で街道などの陸路を利用した一方、船を使って川を行き来する水路が栄えました。下野国(しもつけのくに)の場合、鬼怒川や渡良瀬川(わたらせがわ)などが江戸へとつながっていたため、物資の上げ下ろし等を行った河岸が栄えました。そのひとつが、越名河岸(佐野市)です。
明暦年間(1655〜57)に秋山川に開かれ、地元特産物を江戸へと運びました。そして江戸からは著名な文化人もやってきて、江戸の文化をもたらしました。また河岸跡から発掘された陶磁器(とうじき)から、ここが全国各地と結びついていたことがわかります。
明治に入り蒸気船が定期運行し、やがて輸送・交通手段の主役が鉄道に移ると、かつての賑わいは少しずつなくなり、大正時代中頃にはその姿を消してしまいました。
関連施設(時間・料金などは、変更することがございます)
- 栃木県立博物館
- 住所:宇都宮市睦町2-2
- 電話番号:028-634-1311
- オープン:9時半〜17時(入館は16時半まで)
- クローズ:月(祝日,県民の日の場合は開館)祝休翌日(土日の場合は開館)年末年始,臨時休館日
- 入場料:一般260円(200円)高校・大学生120円(100円) ※( )は20名以上の団体料金
※特別企画展開催時は、別途特別企画展観覧料が必要
※6月第2土日・県民の日(6月15日)・文化の日(11月3日)は無料 - さくら市ミュージアム —荒井寛方記念館−
- 住所:さくら市氏家1297
- 電話番号:028-682-7123
- オープン:9時〜17時(入館は16時半まで)
- クローズ:月(祝休日は開館)祝休翌日(土日の場合は開館)第3火曜日,展示替え期間,年末年始(12/29〜1/3)
- 入場料:一般300円(210円)高校,大学生200円(140円)小,中学生100円(70円)※( )は20名以上の団体料金
- 小山市立博物館
- 住所:小山市乙女1-31-7
- 電話番号:0285-45-5331
- オープン:9時〜17時(入館は16時半まで)
- クローズ:月(祝休日は開館)祝休翌日(土日の場合は開館)第4金曜日,年末年始(12/28〜1/4)特別整理期間(年1回,10日以内)
- 入場料:無料(企画展開催時は有料)
- 茂木町まちなか交流館「ふみの森もてぎ」
- 住所:茂木町茂木1720-1
- 電話番号:0285-64-1023
- オープン:(火〜金)9時〜19時(土日祝)9時〜17時
- クローズ:月,祝休翌日,年末年始(12/29〜1/3)
- 入場料:無料
- 那須野が原博物館
- 住所:那須塩原市三島5-1
- 電話番号:0287-36-0949
- オープン:9時〜17時(入館は16時半まで)
- クローズ:月(祝休日は開館)くん蒸期間(9/23〜29)年末年始(12/29〜1/3)
- 入場料:一般300円(250円)高校,大学生200円(150円)小,中学生100円(50円)※( )は20名以上の団体料金 ※特別展開催時の料金はその都度定める
- 日光市歴史民俗資料館・二宮尊徳記念館
- 住所:日光市今市304-1
- 電話番号:0288-25-7333
- オープン:9時~17時(入館は16時半まで)
- クローズ:月,祝休日(月曜の場合は翌日も休館)展示替え期間,年末年始(12/29〜1/3)
- 入場料:無料