いにしえの回廊
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屏風岩石材 石蔵(西蔵・東蔵)

びょうぶいわせきざい いしぐら(にしぐら・ひがしぐら)

屏風岩石材 石蔵(西蔵・東蔵)

区分/種別
県指定-建造物
所在地
宇都宮市大谷町
時代
近現代-明治時代
ルート
近代化遺産からのメッセージ
文化財概要

西蔵(写真左)は明治41(1908)年竣工(しゅんこう)、東蔵は明治45(1912)年上棟が確認されている。西蔵は畳敷きの居住蔵、東蔵は穀物蔵として利用されていた。当時の店主で「大谷の石材王」と称された渡辺陳平(わたなべ ちんぺい)自ら設計。建設にあたっては、棟梁と石工を連れて東京などに建つ洋風建築を見て歩いたという。随所に見られる洋風デザインにその要素が見られる。
※内部は非公開のため、外観のみ見学可能。


文化財エピソード

大谷石採掘の発展に貢献

大谷石とは、宇都宮市大谷町で産出された凝灰岩のこと。産地とどの層から採掘したかにより名称が違うのが特徴である。たとえば車塚古墳の石室は鹿沼市深岩地区産の「深岩石」、高木会館の側面には大谷石が使われている。持ち主の渡辺陳平は、大谷石産業の発展に尽力した「石材王」。

大谷石の石切場を描いた内田進久「石切場」(1936年、栃木県立美術館蔵)
文化財ポイント

大谷石蔵の先駆けとして

西蔵は曲線や繊細な装飾を用いた本格的な洋風意匠、東蔵は力強い表現が見られるという異なった特徴がある。明治後期に純然たる石造建築としての石蔵が普及していくが、この石蔵はその先駆けとして、本格的な石造洋風建築でもある。明治時代以降に大谷地区を中心に宇都宮などへ普及していった石蔵のモデルにもなった。

本格的な洋風意匠を採用した西蔵(座敷蔵)
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