- 区分/種別
- 国指定-名勝
- 所在地
- 那須町湯本
- 時代
- その他の時代
- ルート
- 下野の「おくのほそ道」
硫黄(いおう)の香りが漂う「九尾の狐」伝説が残る史跡。旧暦4月19日午前、芭蕉たちは宿泊先の主人の案内で見物。芭蕉は次の句を詠んでいる。「石の香(か)や 夏草赤く 露あつし」
妖狐が化けた石を見る
元禄2(1689)年4月19日(新暦6月6日)、芭蕉たちは那須温泉神社参詣後に那須与一ゆかりの宝物を観覧。宿泊先の主人の案内で、玉藻の前に化けた妖狐が殺され化した石という伝説をもつ殺生石を見た。この日詠んだ芭蕉の句が殺生石の近傍に建立された句碑に刻まれている。
伝説を生み出した石を句に描く
ここで芭蕉が詠んだ句にある「石の香」とは殺生石一帯から噴出する硫化水素等の有毒ガスの臭いのこと。石から漂う異様な臭気が、九尾の狐伝説を生み、この地の景色を捉えた句を生み出した。平成26(2014)年3月、「おくのほそ道の風景地」のひとつとして国指定名勝となった。